ある程度の規模のオフィスでは、ビジネスフォンと呼ばれる固定電話が使用されています。電話機の見た目は家庭用とほとんど同じですが、機能面で大きな違いがあります。家庭用の電話は、1台につき1つの番号しか発着信ができません。そのため、異なる電話番号にかかってきた電話を受けることは不可能です。
ビジネスフォンは社内に設置された専用の交換機に接続されていて、家庭用の電話のように電話機と電話番号が固定されていないという特徴があります。外部から会社の番号に電話が来ると、交換機に接続された電話機であればどれでも受信することが可能です。逆に同じ交換機に接続された電話機から外部に発信すれば、どの電話機を使用しても相手には同じ番号が表示されます。ビジネスフォンは内線機能を備えているという特徴もあり、社内の交換機に接続された電話機同士で内線番号だけで接続して通話をすることが可能です。
内線電話を使用する場合は電話会社の交換機を通さないので、電話代はかかりません。ビジネスフォンは社内の交換機と電話機がメタル線で接続されていますが、最近はVPNを利用してインターネットを利用した内線電話が使用されるケースもあります。スマートフォンに専用のアプリをインストールして指定されたアカウントでログインすると、インターネット回線を経由して社内のビジネスホンとして機能させることが可能です。この方法だとインターネットのデータ通信料が必要になりますが、個人のスマートフォンでも会社の電話回線を通して発着信をすることができます。